ターゲットの変化をつかんだ大ヒット事例
今日のテーマは『同じ商品でも市場の変化に合わせることで大ヒットできる』です。
最近、コーヒー飲料に大きな変化が訪れているのを知っていますか?
自動販売機で買うようなコーヒーは容量が190mlのいわゆる缶コーヒーと呼ばれているものです。
それが最近は、若者を中心に500 mlのペットボトル型コーヒーが爆発的に大人気。
コーヒー市場も前年比で112%も伸びるなど、コーヒーブームが到来しています。
ブームに乗っかっとけ、ということで各飲料メーカもペットボトル型の新商品を次々に出していますね。
元々缶コーヒーは工場や建築現場で働く人をターゲットに販売し、味は濃い目。
しかも休憩時間にサッと飲み切れるように、容量も190mlと小さめになっています。
しかし、飲料メーカーのサントリーは市場調査から、ターゲットの変化に気付きました。
具体的には、工場や建築業の就業者が年々減り始め、逆に情報やサービス等のIT系の就業者が急激に増えていることに。
机の傍らに置いて、ちょっとづつ飲めるペットボトル型のコーヒーが求められているのではないか?
そして、今の若者は缶ジュース自体に馴染みが薄く、ペットボトルが当たり前になっている。
デスクワークの人にとって、味も濃い缶コーヒーは合っていないのでは?
そこで、味も少しスッキリしたものにして、500 mlのペットボトル型コーヒー『クラフトボス』として売り出したところ、これが大ヒットしたわけです。
このような市場のニーズを汲みとって、商品を開発したり、売り出す考え方を
『マーケットイン』
といいます。
サントリーの例では、デスクワークをする若者の顕在化した市場のニーズにしっかりとアプローチしたことで、大ヒットになりました。
若年層の顧客拡大が課題となっていたコーヒー市場に、見事風穴を開けることにも成功したわけです。
このマーケットインの考え方は、しっかりターゲットの顕在的なニーズを知り答えることで、大きな商売のチャンスをもたらしてくれます。
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市場の変化を知ることで、商売のチャンスがつくれることを書いた記事です。
参考まで。
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マーケットインの考え方ですが、1点だけ注意が必要です。
単に『お客さんの意見を聞く』だけでは、お客さんの本当のニーズは見えてきません。
お客さんの意見は必ずしも、本当のニーズではないことが多いんです。
例えば左手でカロリーたっぷりの肉料理を食べるフォークを持ちながら、右手で『カロリーを気にしている』というアンケートの回答に印をつけるような事態が出てしまうことも、よくあることです。
また、飲食店でも、すべてのお客さんの意見を参考にしたら、ハンバーグやラーメンなどなんでも置くような定食屋になってしまいます。
つまり、そのまま鵜呑みにして対応してしまうと、面白みのないお店になってしまいます。
意見を聞くお客さんは、あくまで素人なんです。
ココが嫌だ、不満だという意見は聞けても、こうした方が良いという意見は持っていないことが圧倒的に多い。
商売のプロではないので、どうしても素人の発想になってしまいます。
だから、あくまで参考にして聞きながら、本当の隠れたニーズを探し当てることに注力することが大事なんです。
あなたの商品やサービスを選ぶのは、いつだってお客さんです。
お客さんのニーズに答えることができれば、お客さんに選ばれるお店になれます。
サントリーのように、ターゲットとなるお客さんの隠れた真のニーズをつかむことができれば、どんなお店でも繁盛できます。
あなたは、お客さんの真のニーズを探し当てる努力は常にしていますか?
ここに、お店を繁盛させるヒントがあります。